アポ
土曜日、ペアーズでマッチングした人とアポしてきた。
私はあまり緊張するタイプではないので、会った瞬間から緊張度MAXな相手の緊張をほぐす為に、バンバン話しかける。
出身は?
今日の野球の結果は?
大学時代は何をしてた?
今の仕事は?
エトセトラ。
しかし、早くも話題を提供するのが怠くなった私。
相手から何か聞かれるでもなく、話をさせる方向に全般的に誘導。
ひとつの話題を広げに広げ、話のオチに大きな笑いで締めるを繰り返す。
私が運転手だったこともあるが。
店の場所が非常に分かりにくく、大分難儀する。
店に着くが、予約でいっぱい。
車の中で待つが、話を振り、話題を広げる作業が面倒になる私。
「オッ雀めっちゃいますね」
「病院って土日でも出入り激しいんですね」
と早くもクソほどどうでもいい話を繰り返す。
相手は予約をしていなかった手際の悪さ、店の場所を強くリサーチしていなかった甘さを私に詫びる。
いいんだよ、次に活かしてくれ、と心の中で強く思う。
店に入る。
カウンターの席へ。
ホッとした、相手の顔を見なくて済むから。
そう思うのも束の間、カウンターやっちゅうのに、めちゃくちゃ見つめてくる。
ありがとう。
嬉しい、嬉しいよ、でも無言で見つめないでくれ。せめて何か喋ってくれ。
その後、今好きなものの話、元カノの悪口、トイストーリーの話、元カノの悪口を聞き続ける。
笑うのが、限界に達してくる。
正直に言おう。
支店長や課長等のまぁまぁ上の上司と話する方が、面白いし、楽しい。
途中から「接待」という気持ちに支配される。
とにかく笑顔をつくる。
目元が釣る。
めっちゃ見つめてくる。
喋ってくれ。
時折出るご両親リスペクト。
「ええご両親ですね」「素晴らしいご家庭ですね」
を連呼。
気持ち良く話してくれて何よりだよ。
でも君も分かったでしょ、私たちはあまり相性が良くないよ。
ということで、途中からは思いっきり顔にダルい、という気持ちが現れていたと思う。
ごめんね。
高収入やし、高身長やし、君には私よりももっと、いい人がいるよ。
初アポ終了。